白(後手)の場合は、途中、パスがなければ奇数空きがあるはずなので、手止まりを打つのは比較的楽です。では、黒(先手)の場合は偶数理論は使えないでのでしょうか?
そんなことはありません。黒は、偶数理論を応用した
逆偶数理論によって勝つことができます。
次の図を見て下さい。黒の番です。
ここで、h8の隅が取れるからといって、すぐに取ってはいけません。h8に打つと、白にb8と打たれて、偶数理論にハマって負けてしまいます。正解は、b7またはb8です。どちらに打っても、白は右下の奇数空きに打てないので、左下の偶数空きに打たなくてはなりません。つまり、黒は左下の手止まりを打つことが出来ます。そして、白パスの後、黒は右下の奇数空きに打ち、右下の手止まりも打つことができます。
黒b8→白a8→黒b7→白パス→黒h8→白h7→黒g8、或いは、
黒b7→白b8→黒a8→白パス→黒h8→白h7→黒g8で、黒の8石勝ち(36対28)です(白が他の場所に打った場合は、もっと多く勝てる可能性があります)。
白の敗因は、自分が打てない奇数空きを作ってしまったことです。逆に、相手に打てない奇数空きを作らせた方が有利であると言えます。